
弊社では2019年3月より新サービス「絵本セット」「オンデマンド絵本セット」のお取り扱いを開始いたしました。
サービス開始にあたり制作モニターとしてご協力頂きました(株)アニマ 石川様に、今回制作された作品についてのお話と、モニターの感想をお伺いしました。
作品名「モグラくん そとのせかいへゆく!」
項目 | 内容 | |
仕様 | A4変形サイズ(210mm×210mm) 26ページ |
印刷:オンデマンドフルカラー4色 表紙裏印刷有り 製本:並製本(無線綴じ) |
用紙 | 表紙:アートポスト 200kg+マットPP | 本文:HS画王86kg |
石川様の簡単なプロフィールを教えてください。
美大を卒業後、広告系のグラフィックデザイナーになりました。その後、3DCGに出会い(株)アニマに入社。数多くのCGモデル作成を得て、CG映像のアートディレクターを務めるようになりました。
また、会社の業務と並行して個人作品も作り続けていて、今回の絵本もその一つです。現在、弊社は国内だけでなく海外にも広く業務展開しており、私自身も上海に在住し、中国語の勉強をしながら、主に中国案件の業務に取り組んでいます。

どのような経緯でモニターに応募されたのでしょうか。
弊社の赤城プロデューサーが以前、御社に印刷物を依頼しており、そのつながりから今回の絵本モニターの話を紹介して頂きました。
今回作成された作品の内容を教えてください。
地下でずっと生活してきたモグラくんが初めて地上の世界を旅するお話です。そこで出会った小さなコトリを助けて、初めて地上の世界を冒険します。
表向きは子供向けのエンターテインメントですが、異なる文化や考え方に対してもっと心をオープンにしていこうよ!というメッセージをこめています。
元々はショートムービーのストーリーとして企画しましたが、まずは絵本にして発表してみようと考えました。やはり映像表現と絵本での表現方法は違うので、結果的に多くのアレンジを加えての内容に仕上がりました。

主人公・モグラくんのキャラクターはどのようにして産まれたのでしょうか。
人はつい、自分が今いる環境を基準にしてしまうというか当たり前であると考えがちですが、世界中にはいろんな文化や習慣や考え方があるはずです。もっと身近な所で言うと、自分個人の当たり前が、他の人の当たり前でないこともよくあることです。
そういった違いに対して排他的になることは簡単ですが、心を開いて認める努力をしていくことで、自分自身の世界も広がるのではないかと思っています。
そこで、今までずっと土の中に住んでいたモグラくんが初めて地上に出たらどんなふうに感じるだろう?まったく新しい世界をどう捉えるだろう?というアイデアから、今回のキャラクターを作り上げていきました。

気をつけた点やこだわった点を教えてください。
モグラくんというキャラクターが、生きてそこに存在する感じをしっかり出すことにこだわりました。背景は時間経過を表現する一日の光の色を基準に各ページのベース色を構成していきました。
また、子供たちが色々なものを発見できるように絵の情報量を増やしています。情報量が多いとデザイン的にはまとまりにくいのですが、それよりも見て楽しめることを重視しました。

仕上がった本について感想をお聞かせください。
元々はもう少し大きなサイズ(30㎝×30㎝)を想定していましたが、今回の21㎝×21㎝もコンパクトで可愛い感じがします。データ上では少し気になっていた繊細なグラデーションによるマッハバンドも目立つことなくきれいな印刷に仕上げて頂きました。
モニター参加への全体的な感想をお聞かせください。
絵本の形に印刷することで、完成形を実際手に取って見ることができてうれしいです。データ制作で分からない点なども、相談するとすぐに担当の方が分かりやすく教えてくれたので、とても助かりました。
今後制作してみたい絵本があればお聞かせください。
市販の絵本はハードカバーのものがほとんどなので、やはりそれを作ってみたいですね。実は今、モグラくんの続編シリーズも構想中なんです!
いま絵本制作に興味を持っている人へ、アドバイスなどあればお聞かせください。
絵本を描きたいけど、まだ絵本を描き上げたことのない方は、まずは一冊仕上げてみることが大事かと思います。
私も今回作成してみて、もっとこうすれば良かったと思う点もありますが、そういった失敗や反省も作り上げて初めて分かるものです。それらは次回作をよりよく作るための知恵や自信に繋がっていくと思います。
私も絵本の世界ではまだ駆け出しなので、一緒にがんばりましょう!

株式会社アニマ ホームページ
掲載日時 2019年5月