版を使用しない印刷方法であるオンデマンド印刷には、メリット・デメリットが存在します。
最適な印刷方法を選択することはコストや納期、色表現のバリエーションに大きく左右します。
そこで今回は、オンデマンド印刷について詳しく紹介します。
□オンデマンド印刷の特徴とは?メリット・デメリット
オンデマンド印刷は「版」の使用を必要とせず、デジタルデータを直接レーザープリンターによって印刷する方法です。
データ入稿後すぐに印刷処理ができ、短納期・小部数印刷を可能とします。
また、製版費用がかからないため、小部数においては安く納品できます。
オンデマンド印刷とは、「要求に合わせて必要な時に必要な量だけ」印刷できる方法と言え、デザインや内容などの変更が生じた際にも柔軟に対応可能です。
そのため、「複数パターンを印刷したい」「番号を連続で印刷したい」といった内容に適しています。
オンデマンド印刷の方法として「インクジェット方式」と「トナー方式」に分けられます。
インクジェット方式とは、極小のインクを紙に吹き付けて印刷する方法です。
色の再現性が高いことが特徴として挙げられます。
トナー方式とレーザープリンターは同義であり、静電気を用いて転写を行う方法です。
トナーは粉末状のインクを指し、静電気でプラスに帯電した部分にのみ粉が吸着し、転写される仕組みです。
転写したトナーに熱を加えることで、用紙と繊維が絡み合い定着します。
印刷速度が速く、印刷物の耐久性の高さが特徴として挙げられます。
どちらの印刷方法もインクを乾燥させる時間がないため、短納期が実現されます。
デメリットについても解説していきます。
大量部数ではかえってコストが上がるケースが多いです。
納期と枚数によってはオフセット印刷の方が安い場合もあるため、見極めが重要です。
また、色の再現には限度があります。
淡い色やパステル色、ベタ塗り部分にはムラが生じやすく、黒インクのテカリも生じやすいです。
ただ、用紙をラフな紙質にすることで軽減することができます。
□版を用いるオフセット印刷とどっちを選ぶ?
従来の印刷方法として挙げられるのがオフセット印刷です。
オフセット印刷は、版を作成し、印刷ブラケットから紙に転写する印刷形態です。
高解像度の原版により、輪郭やエッジがシャープに仕上がります。
また、原版の作成により、大量印刷を低価格で印刷できます。
それぞれの特徴を理解した上で、オンデマンド印刷に適した印刷物を紹介します。
1つ目は「ポストカード」です。
オンデマンド印刷であれば、1枚から印刷でき、要望に応じてさまざまな用紙を選択できます。
2つ目は「ポスター」です。
魅力的な演出で人の目を引く印刷物です。
光沢紙を使用することで、鮮やかで美しい仕上がりになるのでおすすめです。
□まとめ
今回は、オンデマンド印刷のメリット・デメリットについて紹介しました。
要望に合わせて柔軟に対応できるオンデマンド印刷は、利用シーンによって向き不向きがあります。
印刷部数や納期、品質を考慮した上で依頼しましょう。