印刷方法は大きく分けて「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」に分けられます。
オンデマンド印刷は必要な部数だけを印刷するため、余分に刷って保管・破棄をするようなことが起こりにくく、環境にやさしい印刷方法として注目されています。
今回は、そんな近年注目されているオンデマンド印刷の概要や仕上がりについて紹介します。
□オンデマンド印刷の仕組み
オンデマンド印刷は「版」の使用を必要とせず、デジタルデータを直接レーザープリンターによって印刷する方法です。
データ入稿後すぐに印刷処理ができ、短納期や小部数印刷を可能とします。
製版作業が不要なことから、「必要なものを、必要な時に、必要な数だけ印刷できる印刷方法」です。
オンデマンド印刷の印刷方法は「電子写真方式」と「インクジェット方式」などを利用した高速デジタル印刷機によって印刷されます。
電子写真方式は、トナー方式とも呼ばれている手法です。
粉状のインクであるトナーを静電気を利用して付着させ、熱によって用紙にインクを定着させる方法です。
他の印刷方法と比較し、早く高画質な印刷ができます。
インクジェット方式は、ノズルから液状のインクを飛ばし、用紙の上にインクをのせる方法です。
耐水性に優れ、小さな文字もくっきり印刷できます。
一方で、色の濃淡を表現するのが苦手で写真印刷には向いていません。
インクジェット方式は、家庭用プリンターで使用されている方式と同じため、最も身近な印刷方法です。
□オンデマンド印刷の色の発色・再現性
オンデマンド印刷で使用できる色は「シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック」の4色で、特色は使用できません。
この4色のプロセスフルカラーでの色の再現性には、限りがあります。
色にこだわりがある部分だけは、オフセット印刷で行う場合も多いです。
ただ、オンデマンド印刷機は年々進歩しており、実際に、インクジェット方式では6色使用できる機械もあります。
従来のオフセット印刷では、上質系の用紙に印刷した場合、色が沈み彩度が落ちる印象を与えます。
しかし、レーザー系のオンデマンド印刷の場合、色の沈みがないため、鮮やかに印刷できます。
□まとめ
今回は、オンデマンド印刷の仕組みや仕上がりについて紹介しました。
オンデマンド印刷の品質面は、年々向上しており、オフセット印刷とあまり差がないと言えます。
そのため、印刷する物の「部数や納期」を考慮して印刷方法を選択すると良いでしょう。